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小樽峠(赤井川側)

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北海道内179の市町村を人口順に並べたとき7位にくる小樽市。山一つはさんで隣は下から数えて人口5位の赤井川村が位置しています。両者間には国道393号が通り毛無峠と呼ばれます。毛無峠が開通したのはでそれ以前は並行する小樽峠を通行していました。


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赤井川側の麓で毛無峠と小樽峠との道が分かれそこから小樽峠へと入ってみました。小樽峠の麓には常盤ダム・落合ダムがあり、これは下流の落合ダム。冷水峠の案内板曰くダム湖の名前は「フレベツ湖」。「赤井川」という村名はアイヌ語の「フレベッ(赤い川の意)」だそうで湖の名前もここから出ているのでしょう。ただ「フレベツ湖」でググってもその名前は1件もヒットしませんでした。


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落合ダムの完成はでありそれ以前の道は現在の湖底を通っていました。また周辺には雁皮岱という集落があり水田やわずかな建物が旧版地形図に見えます。


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集落跡の一部は現在も水没を免れて地上に露出しています。しかし公園のように整備されカヌーやキャンプが出来るように作り変えられているので人が住んだ痕跡はありません。


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フレベツ湖を過ぎ、道は林間の1車線。


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常盤ダム手前の分岐。これを右に行くのがかつての道でしょう。現在はダム手前で立ち入り禁止となっています。


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落合ダムから3kmという短距離にある常盤ダム。落合は灌漑用水、常盤は上水道用水とそもそも目的が異なります。


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時期が悪いのか僕が来るときはいつも貯水量ゼロ。


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常盤ダムに沈んだ道はまた合流したと思えばダムも無いのにすぐ分かれます。地図で見ると古い線形の方が優れているように見受けられるんですが。小樽峠から毛無峠に幹線が移ってからこのあたりの道は一度地図から消滅しているので、新たに林道か何かで再開通する時に線形を変えなければならない理由があったのでしょう。たとえば川の流路が変わって道が流されてたとか。


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ここの分岐で小樽峠は左折です。


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左折した直後、左に「小樽市水道 松倉水路トンネル 第3接合井」と掲げられた建物がありました。赤井川村の余市川から小樽市の天神浄水場までの約10キロを結ぶ水路の一部で小樽峠の下を貫くトンネルの長さは3kmもあるそうです。ここが松倉トンネルの赤井川側の入り口というわけみたいです。


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小樽川を洗い越しで渡ります。アイヌ語地名がほとんどないこの地域でオタルを称する川が流れるのはどう考えたって不自然。しかも小樽市の「小樽」という地名はアイヌ語で砂浜の中の川を意味する「オタ・オル・ナイ」が語源だそうです。小樽川は「小樽峠に流を発する川」とかそういう意味で和人が名付けたんでしょう。


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ヘアピンカーブ出たー!ご存知毛無峠にもあるしこの前冷水峠にもあったし、赤井川に関係する峠道にはヘアピンが必須栄養素か。


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実は小樽峠が実際に交通網として使われていた時代はここはヘアピンカーブではなく直進していました。航空写真では付け替え前(っていうか廃道?)、航空写真では付け替え済み。この間周囲の山々が大規模に伐採されているので林道として生まれ変わった際に付け替えられたんでしょう


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付替え前の道の痕跡は全く見つかりません。っていうか視界がありません。オリエンテーリング用地図だったら文句なしで濃い緑に着色される植生。


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付け替え後の道は林道という性格上、道としては洗練されていません。始めは急勾配で登り続け、車なら切り替えしが必要な急カーブを曲がり(写真)、その後無駄に小さなアップダウンがあります。四輪が通行でき無さそなうなガリーもあったのでこのブログを見ても車で行こうとは思わないでください。


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道路を縄張りにしているクマが居るのか数m毎にクマの糞が落ちているという状況が続いたのでわき目も振らず黙々と走り写真も少なめ。クマが廃道マニアだったという可能性もあります。


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ここが小樽峠の頂上。頃から赤井川を目指した開拓者がここを通って入植していったといいます。からは軍事的な目的で改良がされました。札幌小樽間にある軍事道路が有名ですがここも軍事道路ということになります。


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峠から東に伸びる枝道は松倉鉱山跡へ至ります。時間があったら行ってみたかったんですが今日はやめときます。

復路でクマの糞地帯で自転車がパンクし顔を真っ青にしながら修理して帰りました。


追記
小樽峠の小樽側を小樽側から攻めてきました。


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入り口は小樽市天神町の奥沢水源地近く。水源地に浄水場にと小樽市の重要な水がめの地帯となっています。


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今年の春水源地のダムを大規模改修というか撤去した関係なのか立ち入り禁止になってました。


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奥に見える天神浄水場は常盤水路トンネルの行き先に当たります。この辺りから道はダートになります。


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曇りの天気予報を信じて来ましたが雨が降り始めてしまいました。途中右に曲がると穴滝。前に行ったので省略します。


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やっぱりあったヘアピンカーブ。このカーブの外側から山梨道路が分岐していました。山梨道路は小樽市と赤井川村を結ぶもうひとつの道でした。小樽峠は小樽市から赤井川村常盤や同村都を経由するのに対し、山梨道路は赤井川カルデラの中に直行する道でした。小樽からは糞尿、赤井川から農産物を運ぶ目的でに完成しましたが、ほとんど活用されず頃には既に廃道であったといいます。現在こちら小樽側は完全に廃道。赤井川側は村道や林道として一部が残っています。


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そして小樽峠。雲が低かったので雲中突入しました。雨の日のヤマも晴れとは違う情緒があるもんです。写真奥が赤井川側から登った最終到達地点。

この記事の情報

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主要地点の地図

参考文献

  • Miyako Nara、『北海道アイヌ語地名解説』(http://www.galstown.ne.jp/4/wo/fourseasons/hokkaido/chimei/chimeipage.html)
  • 赤井川村教育委員会(編集)、『赤井川村史』、赤井川村、2004年
  • 小樽市水道局、『水道局広報誌 「水おたる」第12号』(www.city.otaru.lg.jp/simin/sumai/suidou/14PR_brochure.data/No12.pdf)
  • (財)日本ダム協会、『落合ダム[北海道] – ダム便覧』(http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2969)
  • 北海道 総合政策部 統計課、『住民基本台帳人口』(平成24年6月)(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/file.jsp?id=524811)

変更履歴

  • 2013-11-07 用語のミス修正
  • 2012-09-16 本文中追記
  • 2014-07-27
    サーバ引越しに伴いページを移動
    旧URL:http://morigen.pro.tok2.com/blog/?p=2203
    新URL:https://morigen.net/blog/?p=2203
  • 2014-07-27 脱字修正
  • 2016-02-13 リンク切れ修正、脱字修正

コメント

  • vogel
    2014-10-31T00:18+09:00(JST)

    ここは行きました。熊と鹿に遭遇してびびりました。

  • さわっち
    2021-09-28T19:51+09:00(JST)

    この前オフロードバイクで行きました
    大変興味深く拝見しました。