免許取ってから2年目の誕生日が近づき更新しなければならないのですが、本籍がまだ秋田のままになっているので実家に帰ります。
ただ帰るだけではつまらないので函館の未成線の戸井線のアーチ橋を見に行きました。
一部の人には有名な戸井のアーチ橋ですが、普通なら下から見上げるだけ。しかし今回は渡ってみる事にしました。起点側から橋にアプローチしてまずは上から見てみます。歩いてる間、動物の糞が大量に落ちてて、牛馬が放し飼いにされてるのかと思いましたが、普通にその辺で野生の馬が草を食んでいました。
さてアーチ橋に着きました。上からだとぱっとしませんね。初めこの光景を見たときあの橋だとはわかりませんでした。
橋上は結構荒れてます。写真右の最も手前の高欄は丸々欠損していて地覆のようなものが代わりにあります。左側の高欄も部分的に欠損したりヒビが入ったり表面が剥離したりとHPが残り僅かになってます。
橋面上にはバラストより大粒な玉石が打ち捨てられ、ここも馬糞風が薫ってます。橋の終点付近には仏さんになった馬が横たわってますが、幸い白骨化が進んで死臭はしませんでした。
アーチ橋の終点側には2径間の桁橋が予定されていたようです。橋脚だけが残されていました。ちょうど汐見灯台の真下に位置しています。
その先終点方向は着工していないのか、見える範囲に遺構らしいものは見つけられませんでした。
汐見灯台まで登ってみると灯台の横で双眼鏡を覗くお父さんが一人。話しかけてみると津軽海峡上を飛んでる鳥を見ているということで、僕も少し見させていただきました。ありがとうございます。それから「ここら辺は馬が多いから気をつけて下さいね」とのことでした。
お待ちかね下からのアーチ橋。汐首陸橋、1938(昭和11)年完成。無筋コンクリートによる8連アーチ。橋長は52m。
ここからもう少し終点方向に行くとまたアーチ橋があるので行ってみます。
ズラズラーっと18連アーチの瀬田来第1陸橋。色がやたら新しげなんですが補修でもしたんでしょうか。
橋上は地面と何ら変わりません。橋を渡って起点の方にはトンネルが見えます。
トンネルは入り口からすぐのところで土砂が積まれていましたが、向こうまで通じているようです。
トンネルを抜けるとそこは激藪でした。さりげなく馬の死骸も落ちてて萎えます。
激藪の明り区間はほんのわずかで再びトンネルがあります。出口の明かりが見えませんし、カビ臭いことから閉塞と判断して、引き返しました。引き返した最大の理由はトンネル恐怖症だからです。できることならば閉塞でも行ける所まで行ってみたいんです。長さ的にこのトンネルのもう一つの坑口が汐首陸橋付近に繋がる予定だったと思われます。2010-06-09追記 奥まで行けなかったトンネルをちゃんと奥まで歩いてきました。こちらからどうぞ。
フェリーの時間が近付いてきたのでここでやめておいて、続きは後日暇ができた時に来たいと思います。
同じ戸井線にある別のアーチ橋「蓬内橋」が去年解体された模様(函館新聞の記事参照)。この日フェリーまで時間があったら確実に行っていたのに。以後機会がなくてついに見られなくていつの間にか忘れてて……悔やんでも悔やみきれません。
時既に遅しと分かっていても解体後の状況を見てきました。
おお!完全に撤去されたと思ってたけど1径間だけ残されてた!これはうれしい大誤算。
橋の解体は小さなブロックにカットして行ったそうです。そういうわけで断面はツルッツル。竹筋か木筋だと見られてたのにその痕跡さえ無いツルピカ断面。実は無筋でしたという話です。それにすごい気泡。この時代ってバイブ無かったんでしょうか。
アーチがひとつだけ残してあるのは何でなんしょ?アーチ橋に荷重をかけると起拱点(橋脚とアーチの境)にはアーチを広げるような水平力が加わりますが、本来その力は隣のアーチが相殺してくれるので問題ありません。しかしこのように1つのアーチが宙ぶらりんではお隣さんが留守なので破壊の危険があります。さすがに今は加重がほとんど無いしコンクリートのリブが今すぐ崩壊するということは無いでしょうが、少なくともこのまま新しい橋に引き継いで使うということはなさそうです。
ついでに汐首第2陸橋も見てきました。汐首第1陸橋と蓬内橋の間にあり、汐首第1と同じく細かいアーチの桟道橋です。
汐首第1と違いこちらは未補修で本来の肌が見られます。蓬内が無筋なんだからこれも当然無筋なんでしょうね。
橋上はその辺の地面と違いは無くどこからが橋なのか良く分かりません。
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2015-06-26
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