日高国道、三岩橋-日高大橋間の旧道

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去年の6月、「平取の町史スゲー!」とか言って国道237号日高竜門の旧道に行きましたね。湾曲する川に沿って危険を冒す旧道と、橋でショートカットする現道でした。これと同じ様な旧道がすぐ近くにあるので行ってきました。前回の日高竜門から国道を北へ4km。国道の三岩橋と日高大橋付近にある旧道がそれです。実は日高竜門の時にこっちにも来る予定だったんですけどあの時は体調ほんとに悪かったんですよ。


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ここが今日の舞台。日高町と平取町間を流れる沙流川に沿う国道237号の三岩橋。旧道は右岸、現道は橋を渡って左岸。川・現道・旧道の関係が全く同じですね。余り離れていないということで地勢まで似通って、深い渓谷へ下りてゆく旧道に前回手を焼いた崖崩れが心配です。


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著名地点の標識がちょっと珍しいタイプだと思いました。フォントは古いけど旧標識の規格とは違うのかな?


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では入っていきます。旧道のとっつきは旧道の時代とは思えない新しげな砂利道です。この砂利道は旧道から分岐して河原に下るだけの道でした。砂利の採取でもしてるんでしょうか。明らかに車の往来がありそうな道でした。


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同じ所でもう一本枝道の分岐があり、こっちは橋台だけ残った橋跡に繋がっています。現道の三岩橋と平行して架かっているのを見ると国道の橋だったかの様ですが違います。一度も川を渡らない旧道時代に対岸とを結ぶものだったようです。でも旧道はずっと右岸、現道は左岸なので切替え前後の時期には国道として使われた時期があったかもしれません。


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そして道は廃道化。1978年の空中写真でもすでにかすれそうな細線しか見えません。今は2014年、イタドリの亡骸が林立することからもう一月もすれば一面緑に染まるものだろうと思います。百歩譲って植生の猛攻だけなら許せても前みたいな崩壊もあるやもわかりません。


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ガードケーブルの痕跡が点々と廃の世界へいざないます。


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なかなか前途多難そうな幕開けになりました。数十mおきに何本もルンゼが横断し、盛土の路盤は流されたり積もったりとせわしなく状況を変化させます。


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ここで僕は自転車をあきらめました。あ、ここまではいつも通り自転車で来てました。ここからは歩いていきます。最近はこうやって途中で自転車を放棄するのもいつも通りのことになりつつある気がします。もう最初から持ってくるなよ。


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昼でもなお日が差さない断崖の下、自転車から開放され五体大満足の今は軽々と崖錐を越えて進んでいきます。


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普通に直立歩行するタイミングが限られ下り坂を下っているという意識も無いままいつの間にか川岸にまで下りてきていました。見たところ崖も無く川に洗われる事も無く、川のそばには歩くのを妨げる大きな問題はなさそうです。


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来た道を振り返ってみると斜面が危なくなっていたのはここだけみたいでした。頑張って自転車持って来ればよかった。


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スタート地点の三岩橋が見えなくなるとほぼ同時に日高大橋が視界に入ります。勾配がなくなり川べりを進む約300mはコンクリート擁壁1枚を立て、内側に盛土した路盤となっています。一見なんとも無い廃道も良く見ると路面や擁壁が沈下し、緩やかに破壊へ近づいています。足元を覆うヨシが1方向に倒れてるのはここまで水の流れが登ってくるということで、浸水と排水を繰り返すうちに路盤をじわりじわりと削り取ってきたのでしょう。


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日高大橋が近づいてきたということでこの旧道も元の標高まで上り直しが始まります。


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上り坂に入ってからはせいぜい草木がおがっている程度で足元が崩れたり落石があったりという危険はありません。


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ここでちょっと日高大橋を見ておきましょう。珍しい三角断面のトラス橋です。同じく三角断面を持つ夕張の三弦橋は重心の低さ、景観性、材料の節約がかわれ三弦の下路式ワーレントラスを選んだらしいです。でもこれは上路式で逆三角形だから前2つの理由には当てはまらず、材料の節約が目的なのでしょうか。同形式の道路橋がほとんど無いところを見ると何か実験的な意味合いもあるかもしれません。


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その日高大橋の側径間を仰ぎ見て旧道は下を通ります。


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上りになって唯一の崩れ。水が浸み出で元々弱い地盤だったようです。


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標高をほぼ現道と等しくし、周りからは崖も川も姿を消しました。景色を見ても地図を見ても段丘崖から段丘面に移ったとよく分かります。写真では見にくいですがここからは轍クッキリの車道一直線です。


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斜めに現国道237号へ突き刺さり旧道が終わりました。橋とか覆道とか特筆すべきものも無く距離も短く盛り上がりにかける旧道でしたね。僕にとって旧道より現道の日高大橋を下から見上げられたのが収穫でした。


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