ホーム

三笠の湯の沢トンネル

2025062501.png
むか~しむかし、とある温泉で頭を抱えているお兄さんがおりましたとさ。そのお兄さんの趣味はトンネル巡り。ある時ぶらっと立ち寄った温泉で露天を楽しんでいると、山の中に一筋の道路跡と廃トンネルが見えたんだとか。反対側の坑口は消滅してるので見えてる坑口に行くっきゃない。それでなんで頭を抱えているかって?そりゃあトンネルに行ってみたいけど露天風呂から丸見えだよ?そりゃ悩むに決まってるでしょ。


20250625100858DSC_0024.jpg 2025062502.png
でも来ました。満を持して。以前界隈の神様から「こういうのは早朝の営業前を狙うのです」と啓示が下って来たんですけど、皆様ご存じの通り朝早いのが苦手な僕。だからしばらくこれなかったところ、なんとから営業時間がめっちゃ遅くなったというので来ちゃいました。


20250625095010DSC_0003.jpg 2025062503.png
というわけで到着。なんか数年前露天風呂から見たよりもはるかに鬱蒼としてて全然見通しきかないです。これだったら時間とか関係なくいつでも見にこれたじゃん。もしかしたら見えちゃうかもと思ってなぜか山の上の林道から下ってたどり着いたんですがそこら中ドクガだらけでまいったまいった。無駄に体カユカユになっただけじゃん。


20250625095140DSC_0010.jpg
坑口はコンクリートで密閉され土が盛られています。『道路現況調書』によると中央高は4.50mだというので4mぐらいの深さで埋まってるはずです。また総幅員は4.50mだそうですが翼壁の幅的に見てもっと狭くてもおかしくないです。有効幅員は3.50m。このトンネルは桂沢ダムの建設に際して掘られたものですが、こんな狭くて大丈夫だったんでしょうか。ダムに向かうにはこのトンネルを通るほかにもダム工事専用の索道があったそうで、もしかしたら索道はダム用、トンネルは村道・森林鉄道の補償という性格が強かったのかも。


20250625095118DSC_0007.jpg
銘鈑兼扁額。竣功時期はとありますが、『新三笠市史 通史編』では、『道路現況調書』では竣功となっています。かなり開きがみられますね。貫通・開通・竣功・移管など色々なものが混同されてそうな気がする。市史にあるといえばダムの計画(幾春別・芦別川総合開発計画)がようやく実施され始め、桂沢ダムにかかわる仮施設の工事が始まったばかり。また補償町村道は度に施工されに竣工したしたという記録もあります。なので個人の意見としてはからの間に竣工して使われ始め、移管したのがではないかと思います。


20250625095314DSC_0013-2.jpg
坑口前から廃道を歩いて行きます。基本的に湿地状態になってて植生は薄いので歩きづらくはないです。でも今日は葉っぱという葉っぱが蛾まみれでつらい。目には不快、触れば毒で、肌痒し、五分の魂、一分の益なし。


20250625095656DSC_0017-2.jpg
トンネル名にある「湯の沢」というのはトンネルの前ここを流れる川の名前です。現在も廃橋が残っており湯の沢川を渡ることができます。


20250625095638DSC_0016.jpg
橋から湯の沢川下流方向を見ました。両岸ともコンクリートでカッチカチ。ダム建設に際して整備したんでしょうか?


20250625100436DSC_0023-2.jpg 2025062504.png
現役の市道に出ました。廃道歩きは500m足らずでおしまいです。湯の沢トンネルは上流に建設された桂沢ダムの建設に際して頃完成したトンネルだそうです。しかしあまりにも狭い内空断面ゆえか、のダム完成後早期に付け替えが行われます。ダムができた当時はこの先には本当にダムと森林だけしかなかったですから狭くても全然無問題だったでしょうが、桂沢ダムより奥地に道路を建設し夕張や芦別まで繋げる工事が始まったのです。この時川沿いの狭い敷地を占有していた森林鉄道がすでに廃止されていたこともあり新道はトンネルを廃し多少遠回りをする川沿いルートを選択することで最狭区間をクリアしました。こうして湯の沢トンネルは頃に廃止されこの地の道路からトンネルは一時期消滅しました。以降、現道の白亜トンネルが完成するまで38年という長い時間をかけトンネルは緑に緑に覆われ山に還っていきました。詳しい情報は北海道 トンネルwikiをご覧あれ。湯の沢トンネルは現道から見ると旧旧道でありながら、旧道にはトンネルはなく、現道のトンネルは別の名前での復活、また供用年数が短く、周囲の人口も少ない。と、人々の記憶から忘れ去られる要素しかないトンネルでした。


この記事の情報

主要地点の地図

参考文献

  • 北海道開発局、『石狩川水系幾春別川桂澤共同施設工事報告書』、
  • 建設省、『石狩川(幾春別川芦別川)総合開発事業工事報告書』、
  • 幾春別建設所(編集)、『熊追・桂沢発電所建設工事 工事記録2(第3編)』、電源開発株式会社、
  • 桂沢ダム小史編集委員会(編集)、『桂沢ダム小史』、桂沢ダム小史編集委員会、
  • 三笠市史編さん委員会(編集)、『新三笠市史 通史編』、三笠市、
  • 北海道、『道路現況調書』、各年版

コメント