歴舟川の神居古潭でトンネルを撮りに行くだけ

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まずはこちらの地図をご覧ください。これは大樹町の市街地の西方を示しています。この地域は日高山脈の山すそを大樹を代表する河川、歴舟川が流れ下り、これと並行して道道55号と622号が地域住民の自動車交通を支えています。しかしこの道の線形、どこかおかしくないでしょうか?そう、歴舟川右岸地帯を連絡している道道622号が直角カーブを描いてまで歴舟川を2度も横断しています。


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始めに答えを明かしておきますと、ここは十勝平野と日高山脈のちょうど境界に立地しており、険しい山脈の地形が川岸ギリギリまで迫った結果、川を渡らずして道を敷くことができなかったのです。しかしこの答えを知った皆様はもう一つ疑問が湧いてきたでしょう。橋を2本も渡すなら直角カーブの無いもっと優れた線形がとれたはず、と。


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二つ目の疑問の答えはこれ。そう旧道が存在したのです。上で道を敷くことができなかったと書きましたが厳密には敷くことはできたのです。トンネルを掘ればね。歴舟川右岸地域の連絡道路として頃に旧道ができ、昭和初期に左岸と連絡する尾田橋ができ、神威大橋ができたことで新道の時代となり、直角カーブは以前の交差点の名残として残りました。


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トンネルがあるならトンネルwiki用の写真を撮らなきゃね。ということで参上。この冬は記録的な小雪で十勝平野は全然雪がないというニュースを度々耳にしていたので安心して予定を調整してたら、まさか予定日の前日にドカ雪。嘘だろぉ……スノーシューもスキーも持ってきてない。それどころか普通のトレッキングシューズにスパッツだけ。


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入口はなぜか除雪が入っていたので早速歩みを進めると古い道路情報掲示板が。帯広土木現業所とか書いてるので間違いなく道道だったのが分かります。


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その先にはオープンなゲート。落石危険な為立入禁止、だと思う。はかなくもここで除雪は途切れてしまいここからできるだけ靴をぬらさないようにラッセルという無理ゲーがスタートしました。


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5分後、ついに目的のトンネルが見えましたぞ。


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ただしゲートからはまだ10m。このペースで行ったら何時間かかるのこれ?カメラのレンズに雪付いてて絵が滲んじゃってるし、ズボンもう濡れてるし帰りたい。


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ズボンはもう諦めました。


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後ろには尾田橋が見えます。


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右手には日高山脈の峻険さの片鱗が姿を現しています。


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ようやく1本目のトンネル。神威古潭第1号トンネルです。ここまで距離にして500mくらいあったんですけど何分かかったと思います?丸々1時間かかりましたよ。時速0.5km!1時間あったらテスト1教科終わるし、プロのマラソンランナーなら約20km走れます。それなのに僕は靴とズボンを犠牲にして500mしか進んでません。帰りたい。


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トンネル内は山側に現役と思われる水道管が通されているのでトンネルは密閉されないのでしょうね。覆工はコンクリ巻きですがこれは後に施工したもので、開通からしばらくは素掘りでした。


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トンネルは短いのですぐに出口の坑口に至ってしまいますが、坑口からはもう2本目のトンネルが見えています。


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2本目は神威古潭第2号トンネル。写真は撮りました。ということはもう帰っていいですよね?ダメと言っても帰ります。お腹すいたしザワシも帰りたいと申しております。帰ります。


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帰り道は往路のラッセル跡をたどり約25分で戻れました。


今日の教訓
冬は冬の装備を!


この記事の情報

主要地点の地図

参考文献

  • 関根弘貴、『そこに物語あり(95)大樹・カムイコタントンネル | 十勝毎日新聞電子版-Tokachi Mainichi News Web』(https://kachimai.jp/article/index.php?no=198714)、2022-01-12閲覧

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