廃道や廃線の歴史をたどる上で重要なアイテムである旧版地形図。いや、それ以外にも地名や歴史の研究などにも役立つもはや万能史料である旧版地形図ですが、謄本を取るとなると手間も時間もかかり中々気軽に手が出せません。しかし北海道にお住まいの方は、特に札幌近辺の方は気軽に閲覧する方法があるんです。僕はそうして今まで閲覧してきました。まあ知っている人なら当たり前のことですが、北海道立図書館に行けば道内の旧版地形図なら大体揃っています。今日はそれを閲覧しコピーをとる方法を書いてみます。
- 閲覧したい地形図の図名
- 20万分1地勢図でどの図の範囲に属するか
はい。北海道立図書館へやってきました。道立図書館は江別市文京台東町にあり、車なら札幌中心部から国道12号で約40分、列車なら大麻駅から徒歩10分、バスなら道立図書館前停下車。開館時間は9時から17時まで。但し夏季は19時まで開いている日もあります。毎週月曜は休館なのでご注意ください。
図書館へ入り中2階に上がると「北方資料室」という北海道関係の資料を専門で扱う部屋があります。ここへ入っていきましょう。扉が閉まっていて入りづらい雰囲気を感じるかもしれませんが自由に出入りできます。気軽に入ってください。
北方資料室に入るとまずカウンターがあり、右隣に所蔵資料の目録類があります。この中から『二万五千分の一地形図目録』と『五万分1地形図目録』という冊子を手に取ってください。2.5万分のほうは3冊あります。で、どれも分厚いのですぐ見つけられると思います。
『五万分1地形図目録』を開いてみるとこのようになっています。ここで役に立つのが家で下調べした内容です。冊子は20万分1の範囲ごとにインデックスラベルが付いているので下調べした該当箇所を探します。20万分1の地勢図は16分割されて5万分1地形図になり、5万分1地形図は4分割されて2.5万分1地形図になっています。今回は5万分1地形図「紅葉山」が見たいのでペラペラページをめくってみるとものの30秒で見つかりました。下調べがないとこの作業に何分もかかってしまいます。紅葉山は11版が所蔵されていて、明治時代の初版は「楓山」という図名であることが分かりました。
実際に閲覧する作業に移ります。北方資料室の閲覧室の一角に「閲覧申込書」という紙が置いてあるのでこれを1枚とってきて記入していきます。
目録を見ながら閲覧申込書を記入しました。「配架場所」の欄には20万分1の図名と5万分1の番号を書いておくと図書館員さんが探しやすいので是非とも書いておきましょう。必要箇所を記入し終えたらカウンターへ持ってゆき図書館員さんに渡します。
数分後、目的の地形図が運ばれてきました。後はゆっくりじっくりばっちり閲覧しましょう。
気になる旧版地形図を見つけたらコピーを持って帰りたくなりますね。コピーをとるには閲覧申込書と一緒に置かれている「北方資料複製申込書」に記入してカウンターへ持って行きます。図書館員さんに確認済みのハンコを押してもらってカウンターの目の前にあるコピー機でコピーします。白黒は1枚10円、カラーは1枚50円。地形図のコピーは全面とることができます。
はい、コピーが取れました。地形図は「柾判」という大きなサイズの紙に刷られています。一方図書館のコピー機はA3までしかコピーできません。なので2枚に分けてコピーしました。1枚の地図を全面コピーするのに白黒なら20円、カラーなら100円かかるわけですね。
以上、北海道立図書館で旧版地形図を閲覧・コピーする方法でした。まとめると
- 図名と20万分1地勢図でどの図の範囲に属するかを調べる。
- 図書館の北方資料室で目録を参照しながら閲覧申込書を記入し地形図を出してもらう。
- 北方資料複製申込書に記入しコピーを取る。
※情報は現在のものです。