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バチラー夫妻記念堂

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江戸時代の北海道はまだ日本の権力が及び切っておらず、アイヌはロシアなどとも交流があったため内地よりキリスト教に寛容だったとされます。1877(明治10)年、ジョン・バチラー(John Batchelor)という男が北海道にやってきました。彼はカトリックとプロテスタントの中間に位置する「聖公会」の宣教師。アイヌにキリスト教を広めるとともにアイヌ向けの私塾と病院を開きアイヌの父と呼ばれました。1892(明治25)年、北海道に正式に聖公会が組織されると1895(明治28)年には有珠に教会を開きます。これは1937(昭和12)年有珠の噴石を使った石造りの建物に建て替えられました。この建物は今でも現役の教会として使われておりこれを見に来ました。


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有珠駅を下りて徒歩10分くらいの住宅街の中。カムイタッコㇷ゚(神の丘)と呼ばれる小高い場所に教会は建っています。


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石造一部2階建。延べ床面積149.64m2。1937(昭和12)年4月着工、同年10月完成。伊達市指定有形文化財であります。


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それでその中は……ガチャガチャ……施錠されています。


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日を改めて来ました。今日はチャリティバザーが開かれてて、建物の中も入れるということです。


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おお、普段は人っ子一人いないのににぎわってる。


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おお、あの日硬く閉じていた戸は大解放。


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中に入る前に改めて外観を見ておきましょう。玄関上には「バチラー夫妻記念堂」と刻銘されています。


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1階の窓。上の少し突き出した三角形(厳密には重ね菱)のペディメント的な部分には小さく十字があしらわれています。窓枠もこれ十字ですね。こんな風に建物にはいたるところに十字が隠されています。ディズニーランドに隠れミッキーがある的に。君はいくつ見つけられるかな?見学の機会がある方は探してみましょう。


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2階の窓は円形。でこれもやっぱり十字ですね。もしかしたらケルト十字を狙って丸なのかもしれません。


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尖塔は1階の窓と同じく三角形っぽい重ね菱。その頂にはケルト十字を掲げます。尖塔以外の屋根はドームやヴォールトではなく切妻。


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では中に入っていきましょう。まずは玄関。青いのは土足で入れるように配慮して敷かれたブルーシートで、普段は靴を脱いで上がります。そこん所は日本式なんですね。


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上の写真が俯瞰であることから分かるように、玄関を入って左に2階へ登る階段があります。登ってみましょう。


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2階は1室の展示室になっています。2001(平成13)年に改修修復工事が行われ、その際に作られた部屋だそうです。ガラスケースにはバチラーが使っていた聖書や辞書、壁にはバチラー夫妻や当教会の歴史などが展示されています。ちなみに写真右の絵の人がジョン・バチラーさん。


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1階に戻って聖所本体に入っていきます。


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もうちょっと荘厳な感じを想像してたんですがバザー中だからしょうがないね。普段の荘厳な状態はググれば写真出てくると思うので各自ググって下さい。聖所はほぼ方形。南東に入り口を、北西に外に出っ張った至聖所があります。イコンとかステンドグラスとか天井画とか装飾は無くとても質素です。一番豪華なのはバザーの品々の方ってぐらい。


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最も奥には至聖所。よく司祭とかがいて大事なことをするイメージのところ。


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後陣の形は半円ではなく真四角。宝座とか燭台とかよくわかんない神聖そうなグッズが置かれています。すみませんが仏教徒の門外漢なものでよくわかりません。だから今日のブログには用語ミスたくさんあるかも。ああキリスト様、こんな僕をお許しください、ラーメン。


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参考文献

  • 『ジョン・バチェラー – Wikipedia』(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC)
  • 北海道近代建築研究会(編)、『道南・道央の建築探訪』、北海道新聞社、2004年

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