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住友赤平炭鉱見学(TANtanまつり)

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赤平コミュニティガイドクラブTANtanというところが開いたイベントで住友赤平炭鉱の自走枠整備工場と立坑が一般公開されましたので見に行ってきました。表記に正確を期すれば住友石炭赤平炭鉱株式会社赤平鉱業所の自走枠整備工場と立坑ヤード及び巻室となります。赤平炭鉱は空知炭田の一角にあり、富良野盆地から石狩平野へ流れ出る空知川の流域にあります。空知川の流域は根室本線が走り、赤平市に置かれた赤平駅のすぐ裏手に赤平炭鉱の立坑はあります。夕張や歌志内のようにちょっと奥まった山の中にありげな他の炭鉱とは一線を画し、交通の便に優れた立地で、赤平駅の貨物取扱量を日本一に導いた時代もありました。開坑は戦時中の、第1立坑の完成は。炭質は極めて良質でありましたが断層が多く効率的な採掘が困難で技術開発が盛んに行われてきました。に閉山。その後も建物や鉱山機械も良い状態で保存されています。


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赤平に着いたのが。遅刻常習犯の僕としては驚異的な早起きを成し遂げたのは良いが、結局暇をもて余し上の俯瞰写真を撮りにズリ山を登ってもまだ立坑の公開には早く、市街1周散歩してもなお早く、先に自走枠整備工場の方を見学します。


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自走枠というのは下に書くので説明は省きますが、そういう坑内で使う機械を整備するために建物らしいです。名前そのまんまで説明になってませんね。炭鉱閉山後は当鉱山で使用された機器を中心に展示・保管施設として活用されています。しかもほとんどが動態保存という折り紙つき。炭鉱の現物資料は文化財としての価値があるものだという考えが深く根付いていなければなかなかできることじゃないですね。炭鉱大帝国空知で最晩期の閉山ということが幸いしたのでしょうか。


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入ると出迎えるのが切羽をガシガシ削るロードヘッダ。初っ端からこんな格好よすぎるもの出されてショック死しそうです。ロードヘッダという重機は今でもトンネル工事などで現役バリバリです。しかし活躍現場が地中だけに一般人の目に触れることは少なく僕には刺激が強すぎました。


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一般公開時以外でもお目にかかりたい人は赤平警察署裏当たりに行くと24時間いつでも屋外展示されてますのでレッツチェケラ。かっこいい重機で興奮しすぎちゃう方はここで免疫を付けときましょう。


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ロードヘッダの後ろに配置された車両は、ロードヘッダから鉱石を受け取り後ろへ運んで受け流すシャトルカー。


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転回スペースの無い坑内を考慮し運転席は向かい合わせに2席ついてます。


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その後ろにはロードホールダンプ。これはロード(積み込み)・ホール(運搬)・ダンプ(荷下ろし)を1台でこなす機械で、ロードヘッダが使われない発破の払とかで鉱石を運んだそうです。


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鉱山で運搬すべきものは鉱石だけではありません。そこで働く人々を送り迎えるのも重要な仕事です。写真の車列、先頭の緑色は電動の機関車。後ろの黄色い4両は鉱員らを乗せる水平人車。


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上半分が充電地になっており切れたら充電済みと交換して再び走らせます。


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人車は1両あたり8人ほど乗れそう。座面の下にはスプリングが入っており痔でも安心して座ってられます。


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この2両は普通とは違う特別仕様。火薬を扱う作業員や運搬には特別な決まりがあり人車も別の車両が用意されます。それが左の「火薬専用車」。右は1人あたりのスペースを広く取った仕様で、お偉いさんらが視察に来た時にはこれがまわされました。そうは見えなくとも水平人車界のファーストクラスです。


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壁際にずらっと並ぶ装置は中央司令室のモニタ。昭和50(1975)年代に坑内に各種センサが設置され始めこれで中央司令室で異状を監視し、数が増えるとよりセンサから上がってくる膨大な情報をコンピュータで処理しより早く確実な判断を下す体制を取っていました。


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巻き上げ機の類。鉱山跡地や林業が盛んだった山に行くとよく野生化したのが転がってます。


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ガス抜きの穿孔をするオーガ型のボーリングマシンです。古代の植物が変質してできた石炭はその過程で水素・酸素などが抜けこいつらは水になったり炭素とくっついて二酸化炭素やメタンになったりします。メタンは炭鉱ではよく湧き、時に爆発的に突出し、可燃性であるので非常に危険視されています。突出なんかしたらもうそれだけで死人が出かねない事故ですから防止策として穴を開けてガス抜きをしてあげます。またこれは他炭鉱で一般的に使われていたガス抜きのロッドより径が甚だ大きくガス抜きと同時に応力解放の効果もあります。


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鉱車に荷を積み込むロッカーショベル。説明板では「RS32型」と紹介されていますが実際の展示品は太空機械製600B型です。RS32と間違えるくらいですからこれも使っていたことでしょう。案内してくださった元炭鉱マンが動かそうとしてくれましたが微動だにせず。


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救命袋は救急テントのパーソナル版。壁を這っているエアの管からぶら下がっていて、袋を開いて中に入りバルブを開けばいつでも新鮮採れたての空気にありつけます。落盤で坑内に閉じ込められたりガスの突出で窒息の危険が差し迫った時が出番です。赤平炭鉱ではガス突出の虞がある現場では25mという短距離でバルブが設けられ作業員には酸素マスクを携帯させていました。夕張ではこれで何人も人命が救われたそうですし朝日炭鉱でも使われた例を知っています。使う場面には出くわしたくはないけれどどんどん役立ててほしい一品です。


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ピックなどの削岩・穿孔機。ババババとなってババババと砕くやつ。体験できるということでピックでコンクリートブロックを粉砕してきました。ものすごく震えるので狙ったところをうまく突くには慣れが要ります。本体は思ったほど重くは無いのですがエアホースがなかなか重く邪魔で取り回しずらいと思いました。顔の高さまで持ち上げて作業しようものなら相当マッチョになるに違いありません。


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次はユニバーサルバックホー。研究開発が盛んだった赤平炭鉱が開発したメイドイン赤平の重機です。エアモータ駆動ですから車体はエアホースまみれです。もりそばじゃなくてホースですよ。ユニバーサルの名に恥じずブーム・アームを水平に倒して坑壁をガリガリ削るトリッキーな作業をこなします。狭い坑内での作業をのため幅はわずか990mm。現在でも全幅が1mを切るバックホーというのはありますが、正面から見た姿にそこはかとなく湧き上がる不安定さはどこから出てくるんでしょう。


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僕の不安を汲み取ってさりげなく後ろでアウトリガーを突っ張る優しさ。


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やたら多い操作レバー。蛸足エアホース。黒光る鋼鉄。一切の無駄を排除してまるでスチームパンクの世界から飛び出してきたみたいなかっこいい運転席です。


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こちらは運搬車。なんとただの運搬車。クローラに台が載っただけみたいな簡素な作りです。この後見る自走枠を坑内で運んだりしたそうです。


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もう1台重機いきます。掘削した岩石をすくい上げ鉱車などに積み込むローダ。案内板に"サイドダンプ"ローダとあるので横付けした鉱車にもアングリング機能付きの排土板で積み込みができるんだと思います。


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お次は当展示の目玉(かな?)自走枠。自走枠というのは奥の屋根や柱が付いてる機械のことで、岩盤を支える支保・カッペと落盤落石から鉱員を守るシールドを兼ね、また切羽の移動に伴ってそれ自体が自走する機械採炭の革命児です。これにドラムカッタを付けて採炭する方式をSD方式といい、これが高能率であると人気を集めました。どれほど能率が良いかというと、ばらして地上で点検整備するのに1箇月半もかかり、稼働時間がそれとほぼイコールだというのに、従来方式よりずっと稼げたってぐらいです。1960年代から研究開発を始め幾多の失敗で赤字へと転落しながらついにSD方式を完成させた太平洋炭鉱では現在でもSDを続け、道内・国内そして世界中で主流な方式となっています。


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これがドラムカッタのドラム。ダブルレンジングドラムカッタといって、ドラムカッタ1台にドラムが2つ付いてそれぞれ上と下を削るよう分担されています。ドラムの先端、底面に当たる部分にも歯が配置され自走枠の移設時に押込サンピングできるようになっています。側面の歯はスパイラル型に配置されてある程度切削した石炭をコンベアまで積み込む能力もありそうです。


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掘り出された石炭はすぐさまコンベアに載せられ切羽から運搬されていきます。H型断面のトラフ(溝)の中を2本のチェーンによって運搬するコンベアをパンツァコンベアといいます。これはどこかの商標だったと思うのですがサランラップや正露丸のようにこの業界では一般名詞として定着しています。


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これらが如何にして自走するのか展示には無かったので調べてgifアニメにしてみました。水平な層を後退式で採炭する様子です。細かな点は多種多様で赤平炭鉱でも全くgifアニメと同じとは言い切れませんが大体こんなイメージだと思ってください。作ってて気付いたんですけど自走枠の移設はドラムカッタの通過後直ちに1つずつ行ったとの記述があったのでgifアニメはちょいミスしてます。他も文字情報を基に動きを想像したので間違っている箇所があるかも知れません。コメント欄にてお叱りご批判どしどし待ってるよ。


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自走枠整備工場の展示最後はリングカッタという穿孔機械。従来は穿孔する円の内側を全部削る全断面掘削が主流でした。しかし赤平炭鉱の技術者は気付いてしまいました。「円の縁だけ削ればいいんじゃね?」掘削に必要なエネルギーは掘削面積に比例して大きくなるのでエネルギーの節約と必要設備の簡素化に繋がります、また副次的な効果だと思いますがコアディスキング現象も利用できるのでお得感があります。


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調子に乗ってこれもgifアニメに。使い方は導坑を1本ボーリングし貫通したらボーリングロットの先端にリングカッタを取り付け回転させながら巻き上げるというもの。円の縁を削るビット(一次切削先行ビット)が掘削します。円の中心付近にある円錐形のビット(インサイドブレーカ)で岩を砕き、筒の内に付いた楔形のビット(アウトサイドブレーカ)で残った部分を砕きます。急傾斜・垂直な層では掘削岩石は自然に下に輩出され、後は煮るなり焼くなりお好きなように。掘進速度が早いので取り急ぎ換気や配管用の穴を設けたいなんて時にも大活躍です。


自走枠整備工場には紹介したほかにもまだ展示品があるので炭鉱を愛してやまない方は是非機会を見つけて見学にいらっしゃいませ。みな傷や塗装の剥げすらも当時のそのままに姿を残し、分からないことは元炭鉱マンが丁寧に解説を、時に実演してくれまっせ。

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さあ、自走枠整備工場もそこそこに、いよいよ立坑見学の時間がまわってきました。


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いつも道路から見てるだけで敷地に入ることも無かった立坑に今日ついに入らせていただきます。


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これほど大きい建物なのに入り口はこんなかわいらしい片開きの扉1枚。現在建物は今も事業者が入っているため本来の入り口が使えないというだけだと思いますけど。


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まずは立坑ヤードに隣接する鉱務所の一室に通されました。中は結構それっぽい雰囲気。廃墟のような見た目を裏切り意外に現用のような空気が漂います。電気も来てるし。これから坑道に向かう鉱員の待合や捜検をする部屋かと思います。僕たち見学者はここでヘルメット被ってとかおやつは500円までとか説明を受けていよいよ立坑のあるヤードに案内されます。


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鉱員たちが立坑のケージに乗り込むのはこちらの通路。中は真っ暗で荒れ果てています。


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見学者はこっちの扉からヤードに向かいます。


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巨大戦闘ロボの発射場か何かですか?あ、これヤードなんですか。そうですか。実物大ガンダム飾ってもなんら違和感なさそうなSFっぽさがありますよね。石炭採掘は当時技術の粋を結集した産業だっただけに今でもどこか現実離れしている風景です。


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ヤードは後ろにも続いています。


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鉱車と鉱車をスイッチバック部で突き返すプッシュバック装置。


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かつて建物の表面に掲げられさんぜんと栄華を誇示した「住友赤平立坑」のネオンサインが落ちてました。「ネオンのともる立坑」といえばここのことと、この辺の人なら誰でも知ってる立坑のもう一つの象徴でした。点かないまでも数年前までそのままの位置で赤平を見下ろしていたネオンサインは取り外され今はこんな所でつわものどもがゆめのあと。


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櫓の足元にはヤードを取り仕切る信号室。


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信号室の中。the働く男の部屋。各種機器の操作レバーや状態を表示するランプがレトロな筐体の中に並んでいます。


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さっき自走枠整備工場で見たのとは違うタイプの人車。これは斜坑で使う斜坑人車。本来ヤードにあるべきものではないんですが展示のため移されてきています。


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斜坑人車背後にそびえる縦長のもの。これは立坑の運搬に使うケージ。人や鉱車はこれに乗って地上と地中を行き来するわけです。ケージの中は縦4段に分かれ炭車なら4両人なら72人の積載能力があります。高さは10m前後あるでしょうか。これを収めるためにヤードの天井をこんなに高く作ってあるんだそうです。


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第1立坑坑口。-550m直行便乗り口はこちらです。この立坑では山手・川手の2つの昇降機がありそれぞれケーぺ式なので全部で4つのケージをやりくりしてました。これを40秒で立坑最深まで送り込みました。平均スピード考えると50km/hもでています。あまりの速さと暗さで乗っている鉱員はケージのすれ違う瞬間もほとんど分からなかったそうです。立坑の直径は6.600mの円形でこの中に4つのケージ、通気管、水管、各種動力線や通信線が入っていました。深さは海面下582m(地面下647m)で海面下350mと550mに坑道との連接部分を設け、地の上と底とを連絡せしめています。


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建物を突き出し外からも見える高さ43.8mの櫓。立坑の建設にあたりドイツまで視察を送り技術を学んできました。そういうわけでこの櫓の形式をドイツの製鉄・鉱山会社Gutehoffnungshütteの名をとり、GHH式と呼ぶのです。


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櫓背後のヤードはチップラ(カーダンパ)があり鉱車の積み下ろしを行っていた場所です。チップラやチップラの操作室はすでに撤去されそれらしい場所に穴が残っているだけです。奥の方で鉱石が積まれているように見える場所は終掘した払に充填するズリを鉱車に積むポケットです。この設備は屋根を突き抜ける高さがあり外からも立坑櫓と並ぶ塔として見ることができます。


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川手側のケージ巻室に入りました。


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ケージから伸びたケーブルを引っ掛けていた巨大なプーリー。右の箱には動力となる1,600kWという化け物モータが配置されています。


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巻室のプーリーから伸びたケーブルは天井の穴から外へ出し櫓のプーリーを経てケージに繋がります。


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ケージ巻室の操作台。『天空の城ラピュタ』のわりと冒頭の方でパズーが操作してるのがこれ。こっちのほうが圧倒的に上等で親方に「ブレーキ!」なんて叫ばれなくても操作できます。


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操作台の計器の一つでケージの現在位置を示す深度計には1,100mまで数値が刻まれています。写真ぶれてるけど刻まれてるんです。上に書いたように立坑は約650mの深さしかないのに立坑の機器は1,100mまで対応しているんです。立坑以外の坑道でも最深で海面下770mほどですからやはりオーバースペック。炭鉱では運搬のコストから坑口に近い場所から掘削を始め、掘り尽くすに従い払は遠く深くなります。赤平炭鉱でもやがて1,100mで掘り進む日が来ることを見越して機械を据え付けたのでしょう。しかし石炭価格が下落する中で運搬コストを増加させることはならず、秘密兵器はついに秘密のまま閉山に至りました。


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中の見学から数時間後、夜の帳が下り立坑櫓はライトアップで在りし日の輝きを取り戻しました。関係ないけど芦別の観音様でかっ。


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きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ、それで。たいしたキズもないから、ちょっと手入れすればまだ動くらしいぜ。


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1万年後の未来人がこれを発掘したら何の施設と思うでしょう。「太陽の神を祭ったなんちゃら」とか言いそう。


20131013185254DSC_0053.JPG(アートは富士翔太朗による)
その頃自走枠整備工場は、グラスでウイスキーをちびりたいいい雰囲気。次回開催時は是非飲酒可に!


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参考文献

  • 赤平市史編さん委員会(編)、『赤平八十年史』、赤平市、1973年
  • 赤平市史編纂委員会(編集)、『赤平市史 下巻』、赤平市、2001年
  • 奥山徳男「赤平炭鉱におけるリングカッタの開発経緯と今後の方向について」、『日本鉱業会誌』Vol.100 No.1159(1984年)、pp.705-706
  • 須藤真一「赤平炭鉱における大口径ボーリングの変遷」、『日本鉱業会誌』Vol.101 No.1172(1985年)、pp.598-601
  • 高岡三郎「切上げ掘さく用リングカッタの試作研究」、『日本鉱業会誌』Vol.84 No.965(1968年)、pp.1227-1230
  • 中嶋滋夫「自走支保に関する実験的研究―我が国における採炭方式の変遷(第1報)―」、『資源と素材』Vol.117(2001年)、No.11 pp.891-900
  • 穂積重友、西松裕一「採炭機械の発達」、『日本鉱業会誌』Vol.90 No.1038(1974年)、pp.515-526

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