「青山越」なんてタイトルで公言しといて今日は青山越えしてません。「タイトル詐欺!謝罪と賠償を要求する!」という声が聞こえてきそうです。
青山越というのは当別町と新十津川町の境にある国道451号の峠。現在は2世代に及ぶ青山トンネルが穿かれてかつての峠は通っていません。現在旧旧道となっている青山越を歩こうと思ったんですが、取付き点はいまいちはっきりしないし、乗り込んでも道の跡はさっぱり無いしで散々でした。
青山越の標高は274m。これ以前は標高が513mもある清水峠を越えていました。清水峠は空中写真で見るからに廃道で新十津川の麓はダム建設(クレーン事故で有名になった徳富ダム)で入れないので歩こうなんてもってのほか。
1916(大正5)年、そんな清水峠からこちらに道が移り、青山トンネルを通るようになったとある資料にはありました。が、1921(大正10)年の地形図にはまだトンネルが描かれておらず真偽のほどは分かりません。
昭の字は略字でこんな風に書くんですね。竣工は銘板によると1941(昭和16)年10月。トンネル化が1916(大正5)年じゃない説が当人によって証言されました。アーチ環が石積みっぽいですが、そういう装飾のコンクリートポータルです。
現在の青山トンネルは1967(昭和42)年7月8日開通しました。この時道道24号滝川浜益線だった当路線は1993(平成5)年に国道451号へと昇格しています。
あっ。路盤は滑らかにカーブして擁壁ともども山腹に消えているのでここが坑口で間違いないみたいです。埋め戻したのか崩れたのかは知りませんが、ご本尊は拝めません。北海道道路トンネルデータベースでは2009(平成21)年時点僅かにではご開帳だったみたいなんですけどね。
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主要地点の地図
参考文献
- 新十津川町史編さん委員会(編集)、『新十津川百年史』、新十津川町長山口論、1991年
- 「北海道の道路トンネル」(第1集)編集委員会(編)、『北海道の道路トンネル 第1集』、「北海道の道路トンネル」(第1集)領布委員会、1988年
- zwiebel他、『青山トンネル(1代目) – 北海道 道路レポート"カントリーロード"』(http://web.archive.org/web/20100621091259/http://hokkaido-douro.net/tunnel/R451/aoyama1.html)
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2014-10-03
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2015-11-02T12:01+09:00(JST)
はじめまして。
いろいろなところに行ってらっしゃるようで、敬服いたします。
先日、青山隧道に行ってきましたが、青山トンネルの路面のアスファルトを剥がして工事をしており、隧道は見ることができませんでした。
青山越と関連があるかどうかはわかりませんが、国道浜益側に小さな橋があるようで、関連があるのかなと思っております。
バイクが冬の休眠に入ったので来年に調べてみたいと思います。
十津川町図書館で清水峠のことを調べてみましたが、あまり大したことは書いてありませんでした。
浜益側の旧浜益街道が、泥川なのかその西側川なのか、判断できずにいます。
2015-11-02T18:37+09:00(JST)
はじめまして、こんばんは。
清水峠は開通が遅く、廃道化は早く、記録にも記憶にも残りにくい存在なのでしょうね。
『浜益村史』のpp918-920にはほんの少し記述がありました。
これによると浜益・新十津川の開拓が奥地に進んだため、1904(明治37)年に北海道庁が滝川から浜益に至る、清水峠を含む道路を計画したとあります(開通年の記載は無し。『新十津川百年史』によると1902(明治35)年着手、1905(明治38)年開通)。
ルートは拓殖銀行滝川支店前を起点に西徳富・留久・百万坪・北幌加を経由し清水峠を通過。浜益村に入って泥川・実田を経て柏木を終点としていました。
同書にはこの地図が載っているのですが、かなり大雑把なので1921(大正10)年の5万分地形図を見てみると峠付近はこの↓ようになっています。
ということで浜益側の道が泥川沿いか西の川か、端的に申しますと泥川が正解のようです。
空中写真で見るとバイクで清水峠は無理そうですが、青山隧道の補修工事は来年1月末までのようなので、トンネルは方は来春にはバイクで行けそうですね。
2015-11-04T08:38+09:00(JST)
おはようございます。
貴重な情報ありがとうございます。ルート図はとても役に立ちそうです。
この2−3日は天気もよく、廃道日和だなと思っていました。
来年が楽しみです。
ありがとうございました。