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日浦洞門

道路極メテ険悪ニシテ橋梁ヨク備ラズ特ニ日浦峠ハ函館以東有名ナル難所トス。
(『函館支庁管内町村誌 其四 後編 各町村誌』より)
日浦峠。その場所はかつて難所とされた道でした。

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函館市日浦町-同市豊浦町の間、亀田半島をぐるっと回る沿岸道路に聳えた日浦峠はトンネル化を以って難所解消を果たしました。に国道278号に認定、新道のサンタロトンネルがに竣工すると、道道に降格されながらも廃止されること無く、今日でも自動車での通行が可能です。


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今朝は水無海浜温泉目当てで来たのに波浪で無理だったので予定変更。「そういやいつも車ばっかりでちゃんと歩いたこと無かったな」と思い函館市豊浦町サンタロナカセ岬にやって来ました。このまま道なりに進むと例のトンネルです。


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右に露天掘りの採掘場が見えてきたら日浦洞門と呼ばれるトンネル連続区間の始まりです。


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ただし最初のトンネル2つはオープンカット。ここに日浦9号トンネルと日浦8号トンネルがあったらしいです。電子国土では現在も8号だけなぜか載ってる。ってことはそれぞれ別の時期に撤去され、8号のほうは結構最近まで残ってたってことでしょうか。「えのページの記録にはまだ8号が存在、付近にに新設された基準点の点の記に添付された要図では掘割。なるほど代前半まで残っていたんですね。一方9号の方はの地形図では記載があり、空中写真では掘割となっています。


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さあこの辺りから行く手に沢山の穴が見えてきました。


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日浦7号・6号・5号・4号トンネルの4連コンボ。やるねぇ~。内地人のイメージする「広くて真っ直ぐ」という北海道の道路風景とは1億光年かけ離れた異端児。オープンカットにしたら法面の管理がめんどくさいだろうし、ちょっとした名物になっているこの風景を簡単には消せないということもあるでしょう。


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坑内は素掘りにコンクリート吹き付け。坑口だけ真新しい落石覆いを設けています。


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今日みたいに波の高い日は飛沫が路面をたたいて水をさしてきます。


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日浦洞門のトンネルたちは多くが車道幅員3.5m、限界高4.0m。バスも通れるけどハラハラするね。自分が対向の運転手だったらパニック障害でも起こしそうです。


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ぎゃー挟まるー!


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無事通過。この路線担当の運転手なら長崎でも勤まりそう。何でこんな道をバス路線にしちゃったんだろね。


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日浦4号トンネル(右)を出たらカーブを曲がり日浦3号トンネルへとたすきを繋ぎます。


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3号の坑口は盛大なオーバーハング。ここまで来たら片洞門と呼んでもよさそうです。


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続く日浦2号トンネルも凄い坑口をお持ちです。コンクリートで塗り固めたら味もそっけも無くなりそうなもんですが、ここでは逆に危険地帯感を誇張して迫力を増している気がします。


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最後に日浦1号トンネルを抜けて。


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日浦洞門は終わります。日浦峠の難所を解消した道路なのにこっちも車道としては十分難所でしたね。


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主要地点の地図

参考文献

  • 北海道道路史調査会(編)、『北海道道路史 路線史編』、北海道道路史調査会、1990年
  • 北海道道路史調査会(編)、『北海道道路史2 技術編』、北海道道路史調査会、1990年
  • 戸井町史編算委員会(編)、『戸井町史』、戸井町役場、1973年
  • 渡島教育会、『函館支庁管内町村誌 其四 後編 各町村誌』( http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/mnj/digital/chosonshi/sono4.htm )、未出版(1918年編集)

変更履歴

    • 2016-03-05 リンク切れ修正

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