1936(昭和11)年秋、北海道で大規模な陸軍の演習が行われ、これに関連して道内各所で道路インフラの整備が行われました。岩見沢市には新たに岡山橋という橋が架けられ、これが今日見に来た橋です。戦前の北海道には鋼アーチ橋(補剛アーチ除く)はわずか3橋しか架けられず、そのひとつが岡山橋でした。開通時は国道12号で、1969(昭和44)年に旧道落ちし市道化。2008(平成20)年からは老朽化により通行止めになっていましたが、撤去は免れ今年で75歳を迎えました。その歴史ある橋が近々ついに撤去されると聞きつけ見に行くことにしました。なんとしても老兵の最期を見届けねば。
違った。撤去じゃなくて補修だった。もう焦らせないでよう。っていうかこれは僕が事前に調べなさ過ぎるのが悪いんですよね。
現在はまだ床版にしか手をかけていないらしく、アーチはそのまま。
中を見せてもらうと床版は完全に取り払われ鋼橋の本性を曝けていました。アーチリブの両端を結んだタイドアーチ。最近ではほとんど見かけなくなったリベット。
補修は来年(2012年)春に終わるそうなので、また日を改めて来たいと思います。
開通はしましたが、高さ制限と重量制限が追加され特殊車両は通れません。
なんということでしょう。親柱は撤去され高欄は新しく作り変えられています。補修中床版も完全に取り払われていたのでこれも作り変えています。しかしアーチリブにはなんら補修は加わっている様子はありません。
橋面より下は塗り替えられています。リベット打ちはそのまま。ボルトは見当たりません。つまり材を交換したり補剛した箇所は無いということです。さびを取って塗りなおしただけのように見えます。アーチもここもたいしたダメージが無いのになぜ通行止めになっていたのでしょうか。
しかし対岸の支承は斜めになった状態でコンクリートでがっちり固定されています。明らかに本来の状態ではありません。橋を通行止めに至らしめた原因はここでしたか。
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参考文献
- 北海道土木技術会(編集)、『北海道における鋼道路橋の歴史』、北海道土木技術会鋼道路橋研究委員会、1984年
- 『広報いわみざわ』、平成25年1月号p13、「土木遺産『岡山橋』の記録写真などをお寄せください」
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2013-01-18
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