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3号鉱山の素掘りトンネル

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早速ですがこの写真にトンネルが隠れています。ぜひ大きくして探してください。今日はこのトンネルを見に来ました。場所は日高町日高地区の青少年自然の家からホロナイ林道を2.3km+三号の沢を約300m。3号鉱山の鉱石運搬のために掘られたようですが、道路用か軌道用か、3号鉱山の位置がどこなのかすら分かりませんでした。修行が足らんです。


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鉱山でトンネルっていうから頭ギリギリの高さで木の支保工が入ってるようなのを想像してましたが、このご立派なサイズ。そうか、坑道と輸送路のサイズは関わり無しみたいですね。ここへ来る途中林道脇にあった案内板には「竜宮隧道」という名前が出てましたが、これが竜宮隧道なのかは不明。


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朝寒くて上がりきらなかったテンションをどうにかしようとして、コメントの難しい写真を撮ってしまった。そ、そうだ、これは大きさを伝えようとして比較物を……


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トンネルを反対側から。左には三号の沢が流れています。トンネル前10m、後50m程は路盤的なものが残されていましたが、どちらもこの沢によって先が遮断されさます。


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ちょっと先見てきましたが何も無かったので戻ります。


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帰る途中別の穴も見てみました。三号の沢から人工的に分流させられ、水が穴へと吸い込まれます。


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これは坑道ってレベルじゃなく天井が低く、中はご覧のスプラッシュマウンテン状態。


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吸い込まれた水はサンゴの滝となって再び三号の沢に注ぐこととなります。川の流れを変え、元の河床を使って鉱石を運搬するという魂胆だったらしい。


2013-06-13追記
これ「八田鉱山」じゃないっぽいのでタイトル直しました。正しくは「3号鉱山」らしいです。八田鉱山は平取町振内市街北方に位置した鉱山でした。
八田鉱山を開いた八田満次郎は兵庫の生まれ。1871(明治4)年静内に渡り色々あった後1928(昭和3)年振内に八田鉱山を構えました。このほか平取・占冠・日高・むかわなどに数々の鉱山をもち、クロームを中心にニッケル・石綿を採掘しました。試掘ではこの周辺だけでなく、空知・オホーツク・択捉にまで手を伸ばし、鉱種もクロームはもちろんの事、金・銀・銅・水銀・硫黄と幅広い事業を目論んでいたと見えます。ただ、3号鉱山という鉱山は鉱区一覧には見つけられず、「八田右左府」というそれっぽい名前がありました。「右左府」は現在の日高町中心部の地名。届出(?)している名前と慣用的な名前が違うのかもしれません。
1936(昭和11)年事業化し「八田鉱業株式会社」が誕生。1938(昭和13)年にクロームの生産量日本一を記録し、1938(昭和13)年~1940(昭和15)年は全国のクロームの約6割を生産していたといい、品質が大変良質だったそうです。ステンレスや耐火煉瓦の材料として軍需があったクロームの採掘で好況を極めた八田鉱業は最盛期の1942(昭和17)年1290人の従業員を数えました。それも朝鮮戦争の終結で収束に向かい1969(昭和44)年八田鉱業株式会社は倒産しました。鉱業権は1964(昭和39)年4月1日時点で既に消滅しているので鉱山の閉山はもう少し早かったと思います。
で、あのトンネルが鉄道用なのか道路用なのかという話ですが、やっぱり分かりませんでした。まだ修行が足らんです。参考までに八田鉱山での運搬方法はというと、坑口までの搬出は鉱車。坑口前で手選して馬車で運んだということです。

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主要地点の地図

参考文献

  • 北海道石炭鉱業会(編)、『北海道鉱業誌 一九三四』、北海道石炭鉱業会、1934年
  • 札幌鉱山監督局(編)、『札幌鉱山監督局管内鉱区一覧』各年版、札幌鉱山監督局
  • 札幌通商産業局(編)、『札幌通商産業局鉱区一覧』各年版、北海道鉱業会、札幌商工協会
  • 振内郷土史編集委員会(編集)、『郷土史ふれない』、振内自治会、2010年

変更履歴

  • 2015-04-24
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  • 2013-07-05 誤字訂正
  • 2013-06-16 冗字除去
  • 2013-06-13 タイトル変更(「八田鉱山の素掘りトンネル」→「3号鉱山の素掘りトンネル」)、本文でも同じく鉱山名の訂正、本文中に追記
  • 2013-02-01
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